愚形

 愚形とは働きに乏しい石の姿をいいます。

アキ三角
 アキ三角とは、左図に示すように石が3個L字型に並んだ形を言います。
 まっすぐに並んだ石の手数は、2個なら6手、3個なら8手と石が1つ増えるごとに2手ずつ増えていきますが、アキ三角の場合は石が3個あるのに手数は7手しかありません。
 アキ三角の手数は、まっすぐに並んだ石に換算すると2個半ということになって半手分石の働きが乏しいということになります。
 ただし、アキ三角以外の手を打つと、アキ三角を打つよりもっと損をする場合は、やむを得ずアキ三角を打つことになりますが、このような場合はアキ三角を打たされたと言います。
 また、アキ三角を打つことによってアキ三角の損を上回る損害を相手に与えることができて差引勘定が得になる場合は、積極的にアキ三角に打ちます。
 このように好むと好まざるとに関わらず自分からアキ三角の形に打つことをグズムといいます。

団子
 団子とは左図に示すように4個以上の石がぎっしりと隙間なく詰まっている姿を言います。
 団子は、石数に比べて石の手数が少なく、ダメヅマリになりやすいので愚形の最たるものと忌み嫌われています。
 たとえば、左図の団子石の場合は4個石があるのに手数は8手しかありません。
 これはまっすぐに並んだ3個の石と同じ手数です。
 つまり、左図の団子石は1手分働きに乏しいことになります。
 なお、捨て石により相手の石を団子にすることをシボリと言います。

 

陣笠
 陣笠とはツケフクラミの形をアテ返された(左図黒◆)ときに継いだ(左図白1)形を言います。
 陣笠は重い愚形でサバキにくくなるのでツケフクラミの形にアテられたときは、ツガずにアテ返す(リンク1)か劫にハジク(リンク2)かしてサバクのが普通です。

喇叭(ラッパ)ツギ
 ラッパツギとは、左図のように断点を同時に防ぐカケツギを言います。

 一挙両得のツギのようですが、白のノゾキにツグ形が愚形なので通常はラッパツギではなく黒カタツギが形とされています。
 ラッパツギは、断点のどちらも絶対に切られてはいけない場合に愚形になるのを耐え忍んで打つ辛抱の手です。
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