コスミのいろいろ

コスミ

 コスミは左図に示すように石が斜めに並んでいてそれぞれの石を結ぶ連絡路(および)とあご()が空点になっている形をいい、コスミの形になるように打つことをコスむといいます。
 コスミは相手からアテコミを打たれればにツギ、とアテコミを打たれればツギで切られることがありませんが、アテコミにツギを打つと追い落としで取られることがありますからダメヅマリには充分に注意することが必要です。
 コスミは眼形を作りやすい長所がありますが、足が遅い短所があります。
 また、あごを衝かれると対応に苦しむことがあるので注意が必要です。
 のどちらかに自分の石がある場合はアキ三角といい、アキ三角の形になるように打つことをグズムといいます。
 の両方に自分の石がある場合は団子といいます。
 あごに自分の石がある場合は、猫の顔ラッパなど状況に応じて用語が使い分けられています。
 に相手の石があった場合は状況に応じてハネオサエタタキなどと用語が使い分けられています。
 の両方に相手の石がある場合は切りキリチガイなど状況に応じて用語が使い分けられています。


ワタリを防ぐコスミ

封鎖を避けるコスミ

裂かれ形を避けるコスミ

眼形を得るコスミ

受けのコスミ

侵略のコスミ

コスミツケ

 相手の単独の石にコスんでツケることをコスミツケといいます。
 コスミツケは、相手に根拠を与えない、相手の石を重くするなどの目的で打つのが普通ですが、コスミツケられた石は強化されますから利敵行為にならないように注意が必要です。

へぼコスミ

 力強くオシていかなければいけないときにへっぴり腰でコスムことをへぼコスミといいます。
 左図白◇コスミは、典型的なへぼコスミです。
 白オシ、黒ハネ、白◇グズミと打てば黒に断点が残るのに、白◇コスミでは黒に断点が残りませんから黒は安心して白を攻めることができます。

コスミダシ

 相手の石を分断して出て行くコスミのことをコスミ出しといいます。

コスミ切り

 コスミ切りは、コスミながら切った形をいいます。
 コスミ切りは、相手にキキアジを与えるのでまっすぐに切るより迫力に欠けます。
 コスミ切りで切った石は取られても、その抜き跡が欠け眼になっていますから、石を分断するのが目的ではなく、先手で相手の眼を奪う場合にも利用されます。

秀策のコスミ


 黒1〜5の配石を秀策流または秀策の1、3、5といいます。
 右下隅の白6小ゲイマガカリに対して左上隅の黒7コスミは秀策が打ち始めた手で「碁盤が19路であるかぎり黒7コスミが悪手になることはないであろう」と語ったことから秀策のコスミと言われるようになりました。

本因坊秀策
  • 1829年(文政12年)広島県因島市生誕。
  • 父:桑原輪三、母:カメ、幼名:虎次郎
  • 6歳の頃、安田栄斎と改名。
  • 1837年(天保8年)本因坊丈和の内弟子となる。
  • 1841年(天保12年)秀策と改名。
  • 1848年(嘉英元年)本因坊跡目願許可
  • 御城碁19連勝の偉業を達成
  • 1862年(文久2年)8月コレラにより死去。享年34才

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