真似碁
真似碁とは天元を中心にして相手の着手と対象点に着手を続ける碁を言います。
黒番で真似碁をする場合は第1着手を天元に打ち、3手目以降を白の着手の対象点に着手します。
この真似碁は豊臣秀吉が本因坊算砂に試みて1目勝ったという伝説から太閤碁ということもあります。
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太閤碁は、黒が機械的に真似を続けることが決まっているなら、左図のように黒石を取ってしまうことができます。
しかし、実際には白が天元の石に近づいた時点で黒は真似を止め、先着の利を活かして主導権をもった戦いに持ち込むでしょう。
したがって、白は天元の石に近づかず天元の石が働きに乏しい石になるように布石をすることになります。
太閤碁は、コミを出すのは難しようです。
白番の真似碁は、黒が天元に打てば解消できますが天元がコミの価値を出せるかが問題になります。
かつて、『コミ碁論者は碁にあらず』論者の藤沢朋斎9段は、コミ碁を否定するために白番で真似碁を何局も打たれて物議を醸したことがあります。
白番の真似碁は、天元に向かったシチョウが生じたとき真似を続けるとシチョウを取られることになってしまいます。
したがって、真似碁封じは、天元に打つのではなく道筋に天元を含むシチョウが発生する手を打たれるようになり、最近では真似碁を見受けなくなりました。