ノゾキとは、相手が手抜きしたら相手の石を分断することができる手をいいます。
ノゾキに対して相手がツギを打てば分断することはできませんから、分断する価値が高いところをノゾクのは次は相手の手番ですから喜んでツガレて相手を固めるアジケシの手になってしまいます。
囲碁格言:切れるところをノゾクなノゾキの目的は、切ることではなく、相手にツギを打たせることにあります。
囲碁格言:切れないところをノゾクなノゾキを打つ主な目的を列挙してみましょう。
┌○┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐ ├○▲▲┼▲┼▲┼○┼┼┤ ├○○○▲┼┼┼┼○┼┼┤ ├┼┼◆あ◇┼┼┼・○┼┤ ├○○○▼┼┼┼┼┼┼┼┤ ├○▼▼▼┼┼┼┼い●┼┤ ├●○┼┼┼・┼●☆●┼┤ ├●○○┼┼┼┼┼●○○┤ ├┼●○┼○┼┼┼┼●○┤ ├┼●○┼○●┼┼●┼○┤ ├●○┼○●┼●┼●○┼┤ ├●○┼○●┼┼┼┼┼┼┤白◇は、白が他を打てば黒あキリを打ち、黒◆を取りながら黒の▲群と▼群を分断するノゾキと白☆の逃げ出しを睨んだシチョウアタリを兼ねた手です。
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┏━━━━━━━┯━━━━━━━┓ ┃┌┬┬┬┬┬┬│┌┬┬┬┬┬┬┃ ┃├┼┼┼┼┼┼│├┼┼┼┼┼┼┃ ┃├┼┼●┼●┼│├┼┼●2●┼┃ ┃├┼●・◇┼┼│├┼●・1┼┼┃ ┃├┼●○┼┼┼│├┼●○┼┼┼┃ ┃├┼○┼┼┼┼│├┼○┼おか┼┃ ┃├○┼○┼┼┼│├○┼○うえ┼┃ ┃├┼●┼┼┼┼│├┼●あい┼┼┃ ┃├┼┼┼┼┼┼│├┼637┼┼┃ ┃├●┼・┼┼┼│├●54┼┼┼┃ ┃├┼○┼┼┼┼│├8○┼11┼┼┃ ┃├┼┼┼┼┼┼│├109┼┼┼┼┃ ┃├┼●┼┼┼┼│├┼●┼┼┼┼┃ ┃├┼┼┼┼┼┼│├┼┼┼┼┼┼┃ ┠───────┼───────┨ ┃ (1) │ (2) ┃ ┗━━━━━━━┷━━━━━━━┛左図(1)白◇ノゾキは左図(2)になったとき、黒あからのデギリを防ぐためのノゾキです。
ノゾいた石が将来なんの役にも立たないのにノゾクのはアジケシなうえ、劫材を1つ浪費したことになりますからノゾキを打ってはいけません。
また、いつでも必ず利くノゾキなら、その石が必要となるときまで保留するのが味わい深い打ち方です。
┏━━━━━━┯━━━━━━━┓ ┃┌┬┬┬┬┬│┌┬┬┬┬┬┬┃ ┃├┼┼┼┼┼│├┼┼┼┼┼┼┃ ┃├┼┼●┼┼│├┼┼●┼◆┼┃ ┃├┼●・3┼│├┼●・┼┼┼┃ ┃├┼●○い┼│├┼●○┼┼┼┃ ┃├┼○21┼│├┼○┼┼┼┼┃ ┃├┼┼○┼┼│├┼┼○┼┼┼┃ ┃├┼あ┼┼┼│├┼あ┼┼┼┼┃ ┃├┼┼┼┼┼│├┼┼┼┼┼┼┃ ┃├┼┼・┼┼│├┼┼・┼┼┼┃ ┃├┼○┼┼┼│├┼○┼┼┼┼┃ ┃├┼┼┼┼┼│├┼┼┼┼┼┼┃ ┠──────┼───────┨ ┃ (1) │ (2) ┃ ┗━━━━━━┷━━━━━━━┛左図(1)黒1ノゾキは白2ツギと白の形を陣笠の愚形にするのが目的です。
┌┬┬┬┬┬┬┬ ├┼┼┼┼┼┼┼ ├┼●●┼┼┼┼ ├○┼・┼┼●┼ ├○●●┼┼┼┼ ├┼○○あ◇┼┼ ├◆┼┼┼┼┼┼ ├┼●┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼左図の黒◆ノゾキは白の眼形を奪うノゾキです。
┌┬┬┬┬┬┬┬┬ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼●┼○┼┼┼┼ ├┼┼・┼┼┼●┼ ├┼●┼○┼┼┼┼ ├┼┼┼21┼あ┼ ├┼●┼○┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼●┼3┼┼┼ ├┼┼・┼┼┼┼┼黒1ノゾキは白2ツギと白を重くして黒3トビなどと攻めるためのノゾキです。
┌┬┬┬┬┬┬┬┬ ├┼●○○┼┼┼┼ ├●┼●○┼┼┼┼ ├┼┼●○┼●┼┼ ├┼┼●○┼┼┼┼ ├●●●○┼●┼┼ ├○○○あい21┼ ├┼┼┼3┼●┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼・┼┼┼┼┼ ├┼○┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼左図、白1ノゾキは、あの断点を防ぐ白3カケツギを打つ前のキカシです。
白1ノゾキで白いノゾキは黒2ツギとなり先手であの断点を守ることができますが、黒の背中を厚くした損は、先手を得た代償としては大きすぎます。
一般に、守りをノゾキで間に合わせるのは姑息な手であることが少なくありません。
後手でもしっかり守って後続手段を狙う方が本筋です。
┌┬┬┬┬┬┬┬┬ ├┼┼┼┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼○┼┼┼ ├┼┼●┼┼┼●┼ ├┼┼32○┼┼┼ ├┼┼●┼あ1┼┼ ├┼┼54○┼┼┼ ├┼┼●┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼左図、黒1ノゾキに対する白2ノゾキと白4ノゾキは先手で連絡するのが目的のノゾキです。
┌┬┬┬┬┬
├┼┼┼┼┼
├┼┼●┼┼
├┼◇あ┼┼
├┼┼●┼┼
├┼┼┼┼┼
├┼┼┼┼┼
├┼●┼┼┼
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├┼┼・┼┼
白◇ノゾキは黒模様侵略のための足がかりとするためのノゾキです。
┬┬┬┬┬┬┬┐ ┼┼┼┼┼┼┼┤ ┼┼┼┼┼┼┼┤ ┼┼┼┼●●┼┤ ┼┼┼┼う○┼┤ ┼┼┼●●○┼┤ ┼┼●○○あ┼┤ ┼┼┼○┼◆┼┤ ┼┼┼┼●┼┼┤ ┼┼┼┼・い┼┤ ┼┼┼┼┼┼┼┤左図の黒◆ノゾキは、白あツギとなって先手で左辺を強化したように見えますが、白いアゴの急所が残り、左辺を強化したとは言い切れないばかりでなく、白うデがキビシクなるので悪手となる場合が多いです。
┌┬┬┬┬┬┬┬┬ ├┼┼●┼●●┼┼ ├○┼●○○●○┼ ├┼┼●┼●○○┼ ├○●┼┼●┼┼┼ ├○○●┼┼┼┼┼ ├┼A○┼┼┼┼┼ ├◆B┼┼┼┼┼┼ ├┼C┼┼┼┼┼┼ ├┼┼●┼┼┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼┼┼左図の黒◆のように断点(A)の斜めに打つノゾキをハスカイノゾキといいます。
ハスカイノゾキは、ツギと換われば非常に働いたノゾキになりますが、切らなければならないようになった場合はコスミ切りになって迫力に乏しい嫌いがあります。
┼┼┼┼┼┼ ┼┼●●┼┼ ┼△ab▽┼ ┼┼●●┼┼ ┼┼┼┼┼┼左図の黒の形は竹の節のような形をしているのでタケフといいます。
┌┬┬┬┬┬┬ ├┼┼┼┼┼┼ ├┼┼●●┼┼ ├┼○・○●┼ ├┼1┼○┼┼ ├┼●a┼┼┼ ├┼┼2┼┼┼ ├┼┼┼┼┼┼タケフの両ノゾキ一方の石が無駄手になっている悪形ですから、タケフの両ノゾキにならないように配慮が必要です。
┏━━━━━━━━┯━━━━━━━━┯━━━━━━━━┓ ┃┌┬┬┬┬┬┬┬│┌┬┬┬┬┬┬┬│┌┬┬┬┬┬┬┬┃ ┃├●◇◇┼●┼┼│├●◇◇┼●┼┼│├●◇◇┼●┼┼┃ ┃├●●◇◇●┼┼│├●●◇◇●┼┼│├●●◇◇●┼┼┃ ┃├┼○▼▼○○┼│├┼○▼▼○○┼│├┼○▼▼○○┼┃ ┃├┼○┼┼┼┼┼│├┼○┼1┼┼┼│├┼○214┼┼┃ ┃├┼○▲▲○┼┼│├┼○▲▲○┼┼│├┼○▲▲○┼┼┃ ┃├┼○┼┼┼┼┼│├┼○┼┼┼┼┼│├┼○53┼┼┼┃ ┃├○●┼●┼┼┼│├○●┼●┼┼┼│├○●┼●┼┼┼┃ ┃├┼●┼┼┼┼┼│├┼●┼┼┼┼┼│├┼●┼┼┼┼┼┃ ┃├┼┼・┼┼┼┼│├┼┼・┼┼┼┼│├┼┼・┼┼┼┼┃ ┠────────┼────────┼────────┨ ┃ (1) │ (2) │ (3) ┃ ┗━━━━━━━━┷━━━━━━━━┷━━━━━━━━┛なお、タケフは通常の状態では切れませんが、手数は意外に短く、オイオトシで切られてしまうことがありますから、ダメヅマリには気を付けなければいけません。