攻め取り
攻め取りとは相手の石のダメを全部詰めて取らなければならないことをいいます。
日本囲碁規約では終局のとき死石はダメを詰めなくても取り上げることができます。
しかし、攻め取りの場合は、相手の石との攻合いに勝って取れる状態なのですから、相手からダメを詰められるとその石のダメを詰めて取らなければ逆に自分の石が取られてしまいます。
つまり攻合いではなく無条件に取っている石はダメを詰めなくても取り上げることができますから、回りの空点も自分の領地になります。
しかし、攻め取りの場合は、ダメを詰めなければなりませんから、ダメの数だけ自分の領地が減ったことになります。
中国式ルールのように空点ではなく、盤上の石数+空点の合計で勝敗を競う場合でも、攻め取りの場合は相手が共有空間の外ダメに石を置いているときに自分の領域に石を置かなければなりませんから、ダメ詰めする手数だけ相手に石を余計に置かれてしまいます。
左図は、攻め取りの一例です。
左図、白◇コスミダシに黒1カケは、右上の黒を捨てて攻め取りにさせる意図です。
白30までの結果は、黒は外側に黒壁を築き、しかも黒Aカケツギがほぼ先手キキです。
黒Aカケツギに手を抜くと黒Bと劫にハジキ黒の花見劫が勃発します。
ただし、黒Aカケツギ白Cヌキをキメると黒Dハネのヨセを失うので保留するのが常道です。
このようにシメツケられてはひどすぎますから、白◇では白あと黒をカカエ黒いの封鎖に甘んじるのが相場でした。
シメツケとは石を捨てて外勢を築くことをといい、攻め取りではなくても相手を塗り込めた価値は絶大なものがあります。
左図は、豪快なシメツケの例で加賀小松禅宗の僧侶でアマ強豪の小松快禅の打ち碁に現れたので快禅の大塗りと呼ばれています。