ケイマのツケコシ

 ケイマのツケコシとは左上、左下、右下などのようにケイマに対峙した石からケイマの横腹にツケることをいいます。
 ケイマのツケコシはケイマを遮断して戦うときやツケコシた石を捨て石にして整形するときに使います。

 左上の白は黒の勢力圏内ですが、ツケコシの手筋で整形することができます。
 ツケコシに対して黒Aと遮ればツケコシた石を取ることができますが、白は眼形豊富になります。
 黒Bハネとツケコシを遮らなければ白は完全には治まりませんが、くつろいだ姿になることができるのがツケコシの効果です。
 自分の勢力圏内で相手がサバキのためにツケコシてきたときは遮るとサバキの調子を与えてしまうので、遮らずに全体を大きく攻めるのが原則です。

囲碁格言:ツケコシ切るべからず

 ただし、右下のツケコシのようにサバキを求めたツケコシでも、遮ることによって相手の形を崩すことができる場合は黒Eデと遮るのが強い態度です。
 キリに対してアテと叩いてツギと白を陣笠の愚形にできるのが自慢の一つです。
 この後、カカエからツギまでと運び、AくんとBくんが見合いとなった黒に不満はありません。
 ツケコシ切るべからずと黒Fハネは黒Eノビで結局ツケコシを切らなければならなくなります。
 あくまでもツケコシを切らずに2線を泳ぐのは白にツガれて黒がペチャンコになってしまいます。
 また、宣戦布告のケイマに応戦したツケコシに対しては断固遮断して戦わなければいけません。
 左下のツケコシはサバキではなく応戦のツケコシです。
 ツケコシ切るべからずと黒Cハネでは白Dヒキで攻めるつもりのケイマがツキヌカレて攻めの目的が達成できません。
 このような場合は黒Dオサエと遮断して応戦しなければケイマした主旨が通りません。

 ただし、相手の勢力圏内でケイマのツケコシで戦いを挑まれたときは、遮断して戦うと苦戦を強いられるのでツケコシ切るべからずと体をかわしてどちらかの石を処分するのが原則です。
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