見合い計算

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   (1)   
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   (2)   
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   (3)   
 図(1)は、黒からヨセると図(2)のようになり、黒地11目で白地11目です。
白からヨセると図(3)のようになり、黒地10目で白地12目です。
 図(3)は図(2)より黒地が1目減り、白地が1目増えていますから、差し引き白が2目得しています。
 逆に図(2)は図(3)より黒が2目得している勘定になります。
 このように相手に打たれた場合と自分から打った場合の双方の地の収支決算を出入りといい、 1・3ハネツギを出入り2目のヨセといいます。

 図(2)および図(3)は、どちらも後手(両後手)になっていることに注目してください。
 両後手ということは、他にヨセがたくさんある場合は、黒から打って図(2)になる可能性と白から打って図(3)になる可能性は半々といえます。
 そこで図(2)と図(3)のそれぞれの地を折半すると黒地10.5目、白地11.5目ということになりますから、図(1)の地は黒地10.5目、白地11.5目と算出するのが見合い計算なのです。

 図(1)と図(2)を比較すると黒地が0.5目増え、白地が0.5目減っているので黒1・3ハネツギは見合い計算では黒が1目ヨセたことになります。
 図(1)と図(3)を比較すると白地が0.5目増え、黒地が0.5目減っているので白1・3ハネツギは見合い計算では白が1目ヨセたいうことになります。
 両後手の場合、出入り計算の半分の値がヨセで得た利益というところに注目してください。

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   (3)   
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   (4)   
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   (5)   
 図(3)は黒からヨセると図(4)のようになり、黒地15目、白地9目です。
 白からヨセると図(5)のようになり、黒地13目、白地10目です。
 図(4)と図(5)を比べると出入り3目の差があります。
 図(4)は黒が後手、図(5)は白が先手ですから、黒1・3ハネツギは逆ヨセ3目、白1・3ハネツギは片先手3目のヨセになります。

 図(4)が後手、図(5)が先手ですから、図(3)から図(5)になるのは白の権利といえるので、見合い計算では図(3)は黒地13目、白地10目と算定します。
 したがって、白1・3ハネツギは白が権利を行使して形を決めただけで白が得したとはみなしません。
 それに対して黒1・3ハネツギは図(5)になるはずだったところが図(4)になったので黒が3目の利益を得たとみなします。

 見合い計算では両後手のヨセ場合には出入り計算の1/2の値がヨセで得た利益であるのに対し、逆ヨセの場合には出入り計算の値と同じ値がヨセで得た利益になります。
 このことから逆ヨセの大きさは両後手の大きさの2倍というもっともらしい説が生まれました。
 しかし、両後手ヨセの値を出入り計算の1/2とするのは同じ大きさのヨセが偶数あった場合にあてはまることで奇数の場合にはあてはまりません。  したがって逆ヨセの値は両後手ヨセの2倍になるとは限りません。
 例えば、逆ヨセ2目の他に10目・10目・8目・8目・6目・6目と両後手2目以上ののヨセがある場合には両後手10目のヨセを打つ前に逆ヨセ2目を打つ必要があります。
 しかし、逆ヨセ2目の他の両後手2目のヨセが両後手3目の1カ所だけの場合は両後手3目を打った方が得です。
 見合い計算は、未完成の地の大きさを概算するのに役立ちますが、ヨセの計算に流用するのは間違いのもとでしょう。
 ヨセの大きさはあくまでも出入り計算をもとに判断し、見合い計算に惑わされないことが大切だと思います。

見合い計算による地の概算例

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黒地:半目
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(1)
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(2)
図(1)黒地:1目
図(2)黒地:0目
(1+0)/2=0.5

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黒地:1目強
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(1)
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(2)
図(1)黒地:2目
図(2)黒地:半目
(2+0.5)/2=1.25
 見合い計算は統計的手法ですから、半目未満の端数まで求めるのは無意味だと思います。
 計算上の端数は、
1目以上1目1/3未満 ⇒ 1目強
1目1/3超1目2/3未満 ⇒ 1目半
1目2/3超2目未満 ⇒ 2目弱
のように半目単位に丸めるのが妥当だと思います。

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黒地:0目
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(1)
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(2)
図(1)黒地:1目
図(2)黒地:−1目(白地1目)
(1−1)/2=0

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黒地:1目
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(1)
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(2)
図(1)黒地:2目(0目+白ハマ2)
図(2)黒地:0目
(2+0)/2=1
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(3)
 原図は、図(3)2ヌキ、ヌキ返しになるのが黒の権利とみなして黒地1目とみる考え方もあります。
 この考え方だと図(2)ツギは逆ヨセ1目ということになります。
 この方が単純明快ですね。^^
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