ハネツギはヨセの主役

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 ハネツギとは左図ハネオサエツギのようにハネて相手にオサエられたらツグという一連の着手をいいます。

 2線や1線のハネツギは、相手の地を減らし、自分の地を増やすので見た目以上に出入りの差が大きく、左図のように出入り17目に達する2線のハネツギもあります。

囲碁格言:ハネツギ17目

 1線のハネツギでさえ左図の右下隅のように出入り8目に達する大きさのものがあります。
 したがって、大ヨセに入るとお互いに2線のハネツギを急ぎ、小ヨセに入ると1線のハネツギを打ち合うようになります。
 まさに、ハネツギはヨセの主役といえるでしょう。

 碁盤の各隅のハネツギの大きさを記しますが、碁盤のリンクまたは文中のリンクと記されているところをクリックすると左の碁盤がその局面になり、碁笥の右側にボタンが表示されます。
 このボタンをクリックすると元の局面に戻ります。
 クリックした記事のところに戻るにはブラウザの[戻る]ボタンまたはこの元の位置に戻るボタンをクリックしてください。

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 リンク1 
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 リンク2
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 リンク3
 左図、左上隅は黒からハネツグとリンク1のようになります。
 リンク1の白からの後続手段はリンク2で黒からの後続手段はリンク3です。
 リンク2は後手ヨセ、リンク3は先手ヨセですからリンク1リンク3のようになるとみてよいでしょう。
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  リンク4
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  リンク5
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   リンク6
 左上隅は白からハネツグとリンク4のようになります。
 黒からの後続手段はリンク5で白からの後続手段はリンク6です。
 リンク5は後手ヨセ、リンク6は先手ヨセですから、リンク4リンク6のようになるとみてよいでしょう。
 したがって、黒からのハネツギと白からのハネツギの大きさはリンク3リンク6との差、17目(黒地の増減7目、白地の増減10目)なります。
 まさにハネツギ17目ですね。
 なお、黒からのハネツギ(リンク1)に対する白の後続手段リンク2と黒の後続手段リンク3とを比較すると出入り5目の差がありますから、リンク1で白Bサガリを打つのは逆ヨセ5目の手になります。
 また、白からのハネツギに対する黒の後続手段リンク5と白の後続手段リンク6とを比較すると出入り6目の差がありますから、リンク4とハネツギを打つのは逆ヨセ6目の手になります。
 逆ヨセ6目はかなり大きなヨセですから黒は白から逆ヨセを打たれる前にリンク6のように片先手ヨセを決める必要があります。

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 リンク7
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 リンク8
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 リンク9
 上図、右上隅は黒からハネツグとリンク7になり、白の後続手段はリンク8、黒の後続手段はリンク9です。
 リンク8は後手ヨセ、リンク9は先手ヨセですから、リンク7リンク9となるとみなしてよいでしょう。
 なお、リンク7で黒のツギがとカケツギなのは、敗勢の際にリンク9ハネにオサエのときツギではなく黒4キリと捨て身で劫を挑むことができるようにするためです。
 したがって、白が劫を避けてリンク9ハネにオサエでなく、白4ヒキと弛めることもありますが、この後黒2ハイコミは後手、白2オサエはほぼ先手ですから、結局リンク9の図に戻るとみなしてよいでしょう。
  なお、リンク8サガリはリンク9に比べて出入り3目の差がありますから逆ヨセ3目の大きさです。
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 リンク10
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 リンク11
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 リンク12
 右上隅は白からハネツグとリンク10になり、白の後続手段はリンク11、黒の後続手段はリンク12です。
 リンク11は後手ヨセ、リンク12は先手ヨセですから、リンク10リンク12となるとみなしてよいでしょう。
 なお、リンク10で黒のツギがとカケツギなのは、敗勢の際にリンク12ハネにオサエのときツギではなく白4キリと捨て身で劫を挑むことができるようにするためです。
 したがって、白が劫を避けてリンク12ハネにオサエでなく、黒4ヒキと弛めることもありますが、この後白2ハイコミは後手、黒2オサエはほぼ先手ですから、結局リンク12の図に戻るとみなしてよいでしょう。
  なお、リンク11サガリはリンク12に比べて出入り3目の差がありますから逆ヨセ3目の大きさです。
 リンク9リンク12とを比べると出入り10目(黒地の増減5目、白地の増減5目)ですから、右上隅のハネツギは両後手10目ということになります。
 このように2線のヨセは後続のヨセの大きさによって変わってきます。
 したがって、2線のヨセは、目先の損得より後続のヨセが大きい手段を選んだ方が得になる場合が少なくありません。

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 リンク13
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 リンク14
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 リンク15
 左下隅で黒のハネツギ(リンク13)は、白の後続手段がリンク14で黒の後続手段がリンク15です。
 リンク14は後手ヨセ、リンク15は先手ヨセですからリンク13リンク15となるとみなしてよいでしょう。
 なお、リンク14ハネツギはリンク15に比べて出入り3目の差がありますから逆ヨセ3目の大きさです。
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 リンク16
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 リンク17
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 リンク18
 左下隅で黒のサガリ(リンク16)は、白の後続手段がリンク17で黒の後続手段がリンク18です。
 リンク17は後手ヨセ、リンク18は先手ヨセですからリンク16リンク18となるとみなしてよいでしょう。
 なお、リンク17サガリはリンク18に比べて出入り5目の差がありますから逆ヨセ5目の大きさです。
 リンク15リンク18を比較すると黒地は両者同じですが、白地は前者の方が2目多いことがわかります。
 つまり、黒のハネツギはサガリに比べて無条件で2目損していることになります。
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 リンク19
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 リンク20
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リンク21
 左下隅で白のハネツギ(リンク19)は、黒の後続手段がリンク20で白の後続手段がリンク21です。
 リンク20は後手ヨセ、リンク21は先手ヨセですからリンク19リンク21となるとみなしてよいでしょう。
 なお、リンク20サガリはリンク21に比べて出入り6目の差がありますから逆ヨセ6目の大きさです。
 左下隅で黒のサガリ(リンク16)と白のハネツギ(リンク19)を比べると出入り17目(黒地の増減10目、白地の増減7目)ありますから、黒のサガリおよび白のハネツギは両後手17目と言うことになります。

 1線のハネツギの例としては、リンク5およびリンク6の逆ヨセ6目および片先手6目、リンク9の片先手3目、リンク12の片先手3目、リンク14およびリンク15の逆ヨセ3目および片先手3目ならびにリンク18の片先手5目などを示してきました。
 1線のハネツギは、ハネに直接オサエることができるかどうか、ハネツガれた後の手入れの要否で価値が最小0.5目、最大8目と大きく変わります。

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 リンク22
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 リンク23
 右下隅は白からハネるとリンク22のようになり、黒からハネるとリンク23のようになって、出入りの差は8目あります。
 しかも、どちらから打っても先手ですから両先手8目のベラデカなヨセです。
 この形が現れたらすぐに打たないと相手から打たれてみすみす8目の利益を与えることになってしまいますから、他の大きな逆ヨセ両後手のヨセより優先して打たなければいけません。
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